令和7年度の最低賃金・業務改善助成金の要件変更について
令和7年度の最低賃金引上げについて
令和7年度の地域別最低賃金額及び発行年月日(予定)が公表されました。
厚生労働省の中央最低賃金審議会が8月4日に答申した目安によると、全国加重平均は1,118円となり、昨年度から63円の引き上げとなっておりました。
それを踏まえて、地方最低賃金審議会を経た答申結果では、地域別最低賃金の全国加重平均は時給1,121円で、昨年度(1,055円)から66円の引き上げとなり、過去最大の上げ幅となりました。
特に九州の引上げ額が大きく、昨年度の最低賃金額から比較すると、熊本県が82円、大分県が91円など目安額から10円以上高い引上げとなりました。

例年10月中に改定されることが通例でしたが、今年は上げ幅が大きいため、九州は全県で11月以降に発効されることが予定されてます。
業務改善助成金の対象事業所の拡充
最低賃金の大幅な引上げに呼応して、事業場内の最低賃金の引上げに関連した助成金となる業務改善助成金の要件の一部が緩和され、対象事業所が拡充することが発表されております。
主な改正点は下記の2点です。
①対象事業所の拡大
事業場内で最も低い賃金の労働者の時間換算額が、地域別最低賃金の50円以内である必要がありましたが、令和7年に改定される地域別最低賃金額未満が対象となることとなりました。
そのため、地域別最低賃金の改定に伴い、賃金の引上げが必要な事業場は原則本助成金の対象となることになります。※対象労働者の雇入れ期間が短い場合など対象とならないケースもあります。

②賃金引上げ計画の事前提出について省略可能
上記①より、この要件の改正によるメリットは非常に大きいと思います。
改定前までは、賃金引上げ前までに交付申請(計画書)を労働局に提出が必要で、すでに賃金を引上げてしまっている事業所は全て対象外となってました。
本改定により賃金引上げ後に交付申請を行うことも可能となりました。
ただ、事後的な賃金引上げが認められるのは、賃金引上げ日が令和7年9月5日以降である必要があります。
上記日付より前に引上げしている場合は、事前提出の省略は出来ないため、今年度の本助成金の申請をすることは出来ません。

今回の要件の改定により、かなり申請しやすくなりました。
本助成金を申請するには、設備投資などが必須なため、検討されている事業者の方は是非検討ください。
外部リンク
※本記事の記載内容は、令和7年9月現在の情報等に基づいています。最新の情報をご確認ください。